ブロックチェーンを基盤としたIBM Food Trustに、欧米食品大手が参加表明。

全米で2,300店舗を構える米食品大手アルバートソンズは、食品の産地などのトレーサビリティを提供するIBMのブロックチェーンを使ったサービスIBM Food Trustへの参加を表明しました。

さまざまな業者の食品データを蓄積できるIBM Food Trustを使用し、「食品の産地」や「収穫時期」、さらには「加工工場」や「流通経路」など、生産地から店頭に並ぶまで食品に関する様々な情報の精度(トレーサビリティ)をどれだけ向上できるかの実証実験を行う予定です。

IBM Food Trustは2018年10月にリリースされた、ブロックチェーンを用いて信頼性の高い食品情報を提供するサービスですが、欧米の大手スーパーを中心にユーザを拡大しつつあります。食品情報を瞬時に追跡できることで、食品のリコール対象商品を即時に正確に把握できて被害を抑えるだけでなく、食品鮮度管理や、廃棄率低減にも効果があると見られています。

IBM Food Trustとは

食品の安全性が疑われる事件が発生した際、多くのスーパーなどの小売店は「疑わしい食品」は全て店頭から下げて処分する対応をしています。問題のある食品を特定させるために数日をかかるようでは、被害が拡大する恐れがあるためです。

しかし、そこには本来処分しなくて良いはずの膨大な安全な食品も含まれています。また、処分にかける人件費や、食品の信用回復までの販売低迷を含めると、損失は非常に大きいです。

問題のある食品を即座に特定して損失を軽減させるために、食品販売業者、流通業者、卸業者、生産加工会社などあらゆる会社が参加して、瞬時に問題の食品を特定できるよう信頼性の高いデータを蓄積・提供を目指しているのがIBM Food Trustです。

IBM Food Trustが提供するデータは第3者による改ざん等がされていない信頼性の高いデータを供給する必要がありますが、IBMではブロックチェーンを使用して、改ざんなどを防いでいます。

IBM Food Trustは当初、食品の安全性を強化する狙いだったが、蓄積されるデータを活用した食品の鮮度管理や、データ分析によって廃棄率低減などの副次的な効果を上げつつあります。

自社だけでなく生産者・流通業者・小売店と幅広くデータを共有されてこそ、IBM Food Trustの真の価値が発揮されますが、2018年10月のサービス開始以来、欧米のスーパーを中心にIBM Food Trustに参加する企業は着実に増えつつあります。

IBM Food Trustに参加するウォールマート

米スーパー最大手のウォールマートも2016年からIBMと提携をしており、IBM Food Trustの実証実験も既に実施しています。

また、ウォールマートは自社で販売する製品データをIBM Food Trustに保存するだけでなく、ロメインレタスやホウレンソウのような葉物野菜のサプライヤーに対しても、2019年の9月下旬までに同システムを導入するよう要請しており、リアルタイムの商品追跡の実現を目指しています。

カルフールも参加で、広がるIBM Food Trustネットワーク

欧州大手スーパーのカルフールもIBM Food Trustに参加している企業の1つです。

Carrefourは、33カ国の1万2000店舗以上のデータをIBM Food Trustに持ち寄る計画で、特にプライベートブランド製品とそれらの追跡機能に着目し、2022年までに全33カ国に対象を広げたいと表明しています。