アマゾン、3,000個の人工衛星で衛星インターネット環境を構築へ。

アマゾン、衛星インターネット構築を計画

アマゾンは3,236個の人工衛星を打ち上げてネットワークを構築し、衛星からインターネットアクセスを提供する計画(プロジェクト・カイパー)を立てていることを明かしました。

プロジェクト名のカイパーは、太陽系で海王星よりも外側にある天体が密集している環状の帯「エッジワース・カイパーベルト」に由来します。

アマゾンによればプロジェクト・カイパーは長期的なプロジェクトで、打ち上げた大量の衛星を比較的低い軌道で周回させてネットワークを構築し、ブロードバンドインターネットへのアクセスを欠いている世界中の95%の人々を対象に、高速なネット環境を提供しようとしています。

通常の衛星軌道よりも低い位置に衛星を周回させることで、1つの衛星が提供できるインターネットのエリアは狭まるものの、接続遅延が少ない高速なネット環境を提供できるようになります。

衛星インターネットを構築するアマゾンの狙い

We are socialによると2019年時点で世界人口77億人のうち、インターネット利用人口は44億人と言われており、インターネットを利用できていない人々が世界には33億人(全体の43%)もいます。また、その多くは山岳地帯や島々でインターネットインフラ構築が進まない地域や発展途上国と言われています。

アマゾンは世界的にインターネット利用人口を増やし、アマゾンのサービス利用者を拡大させたい狙いから、衛星インターネットを構築しようとしています。インターネットが接続できない人に向けて、インターネットサービスを提供することができれば、その地域でのアマゾンの企業認知度は格段に上がり、その後のビジネスでも優位に立てる可能性が高いです。

過熱する衛星インターネット構築競争

アマゾンと同様の人工衛星を使ったグローバルなインターネット環境を構築しようとしている企業は数多く、その競争は近年過熱傾向にあります。代表的なものをあげるだけでも、スペースX、ソフトバンクが出資するOneWeb、ボーイングやカナダ通信会社テレサット社も同じ分野に進出しています。

スペースXは既に2つの衛星の打ち上げテストを実施

イーロン・マスクが率いるスペースXも、すでに「Starlink(スターリング)」という世界規模のインターネット網を人工衛星で構築する計画を進めています。2024年までに4,425個の人工衛星を打ち上げる計画で、更に低い周回軌道に約7,500個の別の衛星を打ち上げて、接続遅延の少なく高速なインターネット環境も構築しようとしています。2018年には、初期段階のテストとして、2つの衛星を打ち上げを実施しました。

OneWebは2021年サービス展開を目指す

ソフトバンクが主な出資先として12.5億ドル(約1400億円)を提供し、ヴァージン、コカ・コーラ、Bharti、クアルコム、エアバスなどそうそうたる企業が出資者に名を連ねるOnewebも、衛星インターネットを構築している企業の1つです。

650個の衛星からなる衛星インターネット環境を計画しており、既にテスト用の6つの衛星を打ち上げて、地上局との通信試験を実施しています。2020年にデモを実施し、2021年には全世界で24時間のインターネット接続サービスを提供する予定です。

また、OneWebは既にアフリカと中東地域に通信サービスを提供しているTaliaに対して、2021年からサービスを利用することで合意するなど、技術開発だけでなく商用に向けた動きにも大きな進展がありました。

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