オラクル「3年以内にブロックチェーンは50%以上の企業で使われる」

「私の予想では、今後2-3年で50%から60%の企業がブロックチェーンを使うようになるだろうと思っています。」(フランク・ション, Oracle)

4月8日、カルフォルニアで行われたForbes CIO Summit 2019のブロックチェーンのセッションにて、オラクル、サムスンSDS、スタートアップのBext360の3社が登壇し、ブロックチェーンの今後について意見を交わしました。

ブロックチェーンを使えば、改ざんされにくいデータの共有ができることから、仮想通貨を支える技術として有名になりました。

企業のブロックチェーン活用に目を向けると、まだまだ大規模な用途ではなく、実験的な取り組みが多いものの、ブロックチェーンを使った国際送金から、模造品検知など企業の積極活用が見られるようになってきています。

参考記事:

IBM、国際決済のためのブロックチェーンネットワーク運用開始。

2009年のビットコインの開始から10年が経ち、今後の企業でのブロックチェーンの利用拡大について意見を求められた登壇者たちは、三者三様ではあるものの、その中でオラクルのブロックチェーン製品開発グループバイスプレジデント、フランク・ション(Frank Xiong)は最も楽観的な見方を示し、今後2-3年で企業のブロックチェーン活用が大きく進むと断言しました。

多くの企業はシビアな目でブロックチェーンに何のメリットがあるか見定めている

オラクルは、商品の産地や原料のサプライチェーンを追跡するブロックチェーン・プラットフォームのサービスを展開しており、既に顧客を100社以上かかえています。中には、イタリア産のオリーブオイルが本当にイタリア産なのか産地を確認できるようにしている顧客企業もいます。

そうした企業のブロックチェーン活用を見てきたオラクルのフランクは、企業のブロックチェーンを見る目が変わってきたと言います。

「ブロックチェーンを使えば何でもできるようになるという最初のフェーズに抱きやすい幻想は、既に企業は抱いていません。多くの企業は、より現実的に、自分たちのビジネスにブロックチェーンがどんなメリットがあるかを見定めようとしています。」

一般的に、新しい技術が流行る初期には、企業は『その技術を使えば何でもできるようになるという幻想』を抱き、その後、その技術の出来ることと限界を理解した上で、より具体的で堅実な技術の使い方でビジネスに取り込むという一連の流れを踏みます。フランクによれば、既に企業は初期の幻想フェーズを脱しており、今後は現実的な企業のブロックチェーン活用が進むとしています。

そして、その企業が使うブロックチェーンは、ビットコインのようにオープンに世の中に情報を公開するものではなく、製品の生産管理など提携企業との間だけで使われるような、もっとクローズドな利用が進むとフランクは考えているようです。

企業のブロックチェーン用途の主な用途はサプライチェーン

「ブロックチェーンを使うことで、企業間の協業がより効率的になります。ブロックチェーンには明白な投資対効果があるのです」と語るのは、サムスンSDSのブロックチェーン・バイスプレジデントのテッド・キム(Ted Kim)です。

テッドも、オラクルほどでは楽観的ではないものの、3年以内に20%以上の企業がブロックチェーンを使うようになると予想しており、今後企業のブロックチェーン利用が加速すると見ています。そのテッドは、ブロックチェーンの主な用途として、在庫管理・生産管理の効率化を考えており、サムスンSDSでも韓国からヨーロッパの貨物をブロックチェーンで追跡する実験的取り組みを進めています。

商品のトレーサビリティサービスとソフトウェアを提供するスタートアップのBext360社のダニエル・ジョーンズ(Daniel Jones)CEOも同様に、企業の受発注や生産管理でのブロックチェーンの用途が増えるとの見方を示しています。

「人々はブロックチェーンを使えば、あらゆるものが分権化するという壮大な予想をしていますが、私がそれが起こるとは思いません。今後起こるのは、もっと現実的なことで、それは企業の垂直統合に近い動きです」(ダニエル)

ダニエルのいう垂直統合とは、商品作る企業から商品を売る企業が生産管理・在庫管理のブロックチェーンで結びつくことで、例えばアマゾンと農家がブロックチェーンを使って生産情報・商品情報が管理するようなことが、今後起こりえる言います。

ダニエルは、その現象を「アマゾンの世界が、農家のレベルにまで広がる」と表現しています。