【事例】ドコモ、AIで運行ルートを最適化するバス配車サービスを展開へ。

NTTドコモは、巡回経路を固定せず、スマホアプリや電話からリクエストがあった乗客を乗せる「AI運行バス」の運用を4月から開始すると発表しました。最適なサイズのバス車両や乗客を乗せる最適なルートはAIを使った膨大な計算をもとに、リアルタイムで算出します。

AI運行バスが解決する課題

経済性を求めた結果、バスや鉄道などの交通手段が行き届かない「陸の孤島」となり、移動の自由が制限されている地域や、都市部であってもイベントなどの一時的な需要の変動など、既存の交通機関では需要に柔軟に対応に対応することが難しい様々な交通に関する問題が社会的な課題があります。

取り組み概要

ドコモは、このような既存の鉄道・バスでは解決が難しい交通の課題に対して、ITを駆使して柔軟な交通需要に対応できるAIバスの実証実験を2017年から進めてきました。AI運行バスでは、乗客が「乗車人数」「乗降場所」「乗降希望時刻」をスマホアプリか電話で指定し、バスは乗客を効率的に巡回できるルートをAIを使って計算しながら、リアルタイムに算出されるルートを運行するというものです。

このAIバスの特長は以下の4点です。

  • 乗りたいときに、乗りたい場所で、誰でも簡単にアプリ・電話から乗車予約が可能
  • 高度なAIを使い、最適な巡回ルートをリアルタイムで算出
  • 観光地・店舗・イベントwebページと連動した交通サービスの実現(webサイト上に「ここに行く」ボタンを設置することで、乗車リクエストも可能)
  • 潜在的な移動需要予測(現在開発中)

AIバスは2017年3月より未来シェアと共同検討を進め、これまでに東京都副都心地区、九州大学、兵庫県神戸市、鹿児島県肝付町、神奈川県横浜市、群馬県前橋市などでの実証実験を実施。延べ9万人の実験結果から、一定の品質・性能を実現できたとして商用化に乗り出しました。

AI運行バスの提供価格は、初期導入費用は50万円、月額利用料は18万円で、4月から提供を開始します。

期待効果と導入目標

今後ドコモはAI運行バスの提供で、利用客の利便性向上と地域経済活性化など社会課題解決に貢献できるとコメントしています。また、2020年度末までに100エリアでの導入を目指すとしています。

NEWS CARAVANの視点

ドコモは全国に基地局を持ち、日本で多数の携帯電話ユーザを抱えていことから、位置情報に強みを持つ会社です。近年のドコモの展示会では、ドコモの位置情報と提携先企業IT開発力を使った先進的な取り組みをいくつもみることができますが、このAI運行バスも何年も注目を集める取り組みでした。

この取り組み自体もとても面白いですが、もともとインフラに強いドコモならば、車・バス・タクシー業界が今後ますますITを駆使したサービス(MaaS)を提供する側にシフトすることを見越して、それらの企業が使う乗客管理・乗降位置管理・集金管理・最適ルート計算機能を提供するITプラットフォームを構築できるとドコモの優位性が強まると思います。

MaaS用ITプラットフォームにまでシステムを発展できれば、ドコモの集金の仕方も代わるはずです。初期費用や月額費用ではなく、使われれば使われた分だけ料金を徴収できる従量課金に移行すれば、日本中の車・バスが移動する度に、ドコモに売上が発生するモデルを作ることができます。

日本は配車サービスとして、世界的に後進国と言われています。本取り組みがMaaS用ITプラットフォーム構築のための第一歩となり、日本の配車サービスの活性化につながることを、1ユーザとして楽しみにしています。

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