マイクロソフトとJPモルガン、ブロックチェーンで戦略的提携を発表。

JPモルガン・チェースはウォール街の企業の中でも、最もブロックチェーン技術に積極的に投資を行っている企業です。並み居るIT企業に負けず劣らず、ブロックチェーン人材を獲得しようとしており、その様子はIT企業さながらです。

米JPモルガン・チェース銀行、金融業界で最もブロックチェーン人材獲得に注力。

そのJPモルガンとIT業界の巨人マイクロソフトは2019年5月2日、ブロックチェーンで戦略的提携を結んだと発表しました。

この提携によって、JPモルガンが開発するブロックチェーンのQuorum(クオラム)を、マイクロソフトが提供するクラウドのAzureを通じて利用可能になります。JPモルガンとマイクロソフトの両社は今後、顧客へのブロックチェーン導入を加速させたい狙いです。

JPモルガンのブロックチェーンの取り組み

JPモルガンは近年、他の金融企業に先駆けて、積極的にブロックチェーン技術の先進的な取り組みを行っています。

Quorumの開発

JPモルガンはビジネスでブロックチェーンを使用するために、既存のブロックチェーン技術に改良を加えて、Quorumの開発しています。通常のブロックチェーンは管理者が存在しないか、もしくは複数人が共同運営するのに対して、Quorumは一企業が管理しやすいように単体の組織で管理可能にし、迅速かつ安全かつ、他の企業には秘匿性が高い取引ができる環境を提供しています。

Quorumの技術を駆使して、カナダロイヤル銀行とオーストラリア・ニュージーランド銀行とは、インターバンク・インフォメーション・ネットワークというネットワークを立ち上げ、国際決済のかかる処理時間とコスト劇的に削減する取り組みも行っています。

Quorumを使ったデジタル通貨JPMコインの発行

さらに、JPモルガンはモルガンは2019年にQuorumを使って、独自角デジタル通貨を発行しました。(仮想通貨とほぼ同じ意味ですが、JPモルガンは仮想通貨と呼ばずにデジタル通貨と読んでいます。)

仮想通貨で有名なビットコインなどとは異なり、1JPMコインが1ドルと交換可能とするルールを設けて価値を一定にしたステーブルコインと呼ばれるタイプのデジタル通貨ですが、JPMコインを用いることで巨額な資金の投資・運用をする機関投資家向けに、企業間の資金移動を高速に行える利便性を提供しています。

こうした積極的な姿勢をみせるJPモルガンに対して、マイクロソフトは最適なクラウドかもしれません。マイクロソフトのクラウドサービスのAzureは、Amazonのクラウドに次ぐ2番手の市場シェアを持ちながらも、今やAmazon以上に急成長を遂げている勢いのあるクラウドです。

また、マイクロソフトのビジネス顧客は、JPモルガンの顧客とマッチしており、両社が協力することでJPモルガンにとってのQuorumの利用促進と、マイクロソフトにとってのAzureのさらなる利用拡大を狙うことができるはずです。


参考記事:
IBM、国際決済のためのブロックチェーンネットワーク運用開始。

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