ソニー、AIとロボティックスで新しい「料理」体験を創造。

「こんなふうにジャガイモを切っておいて。後はよろしくね。」

ロボットに伝えて、キッチンを離れる。面倒な作業はロボットに任せつつ、最後の味付けや盛り付けなど、楽しいところは人が手を加える、新しいカタチの料理体験をソニーが提案しています。

AIとロボットで新しい食事体験の提供を目指すソニー

ソニーはAIとロボットを駆使して「料理」の新しい可能性を探る、中長期的なプロジェクトをスタートさせました。ソニーが料理の分野で何を目指しているかは、次のコンセプト動画を見るとよくわかります。

コンセプト動画:AI×Robotics×Cooking

AIと料理の組み合わせといえば、AIがレシピを考えるIBMのシェフワトソンが有名ですが、ソニーのAI・ロボットはIBMのそれとも異なります。

レシピを考えるだけでなく、実際に人間と一緒に調理をし、タイミング良く料理やワインを出し、新しい味・香りを楽しめる料理を人々に楽しんでもらうなど、食事の楽しみを「作る」から「味わう」までトータル・プロデュースすることを目指す点がIBMとは異なる差別化ポイントです

ソニーのコンセプト動画作成に携わった作家で料理家の樋口氏の言葉を借りれば、料理の楽しみの本質は「テーブルにいる人達が共有できる体験」です。シェフはその体験のクリエーターであり、ソニーはシェフの能力を存分に発揮してもらうために、シェフをサポートするロボットとAIを作っていくとしています。

この分野でのソニーは、世界で初のミシュランに認められるロボティック3つ星レストランを目指します。


NEWS CARAVANの視点

「消費者はモノではなく、新しい体験を求めている」と現代のビジネスではよく言われます。先進国ではモノ溢れているだけでなく、発展途上国のメーカーが販売する低価格の製品に対抗することが難しいため、モノ売りが難しい環境になっているからです。

そうした中、ソニーは従来のカメラやゲーム機などのモノ売りではなく、新しい体験を提供するサービスの提供を目指そうとしていると感じます。

また、このAI・ロボティクスの料理プロジェクトは最近流行りの毎月定額制のビジネス(サブスクリプション・モデル)とも相性がいいです。モノとしてのロボットは1回売り切りですが、サービスとして提供し続けることで毎月一定金額の安定した収益が見込めます。

ただし、よく言われるように毎月課金型のサブスクリプションモデルの欠点は、飽きられてしまったら解約につながることです。サブスクリプションモデルで動画配信サービスを手がけるネットフリックスは、ユーザから「見飽きた」と言われて解約されないように、常に新しい映画・ドラマを作成し続けなければならないジレンマを抱えていることは有名です。

しかし、サブスクリプションモデルを採用したとしてもソニーの料理ロボットは情緒的に食事の楽しさを提供している点で、高い顧客満足度を獲得できる可能性があります。高い満足度が実現できれば、解約につながるリスクを抑えることができるため、ソニーの一事業として確立できる可能性もあります。


参考記事:

最先端のクールなビジネス、人工肉市場の最新動向。

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